薬膳が日本に入ってきたのは1985年
(昭和60年)頃です。
当時の薬膳は、とりあえず漢方薬をくわえた
だけの料理だったので、
「なんだか体に良さそう」(この意見は少数)
「おいしくない」
「値段が高い」
といった意見が多く、それ以来、薬膳のイメージは「体によさそうだけど、難しくて特別な料理」となってしまいました。
私も20代の頃に薬膳料理を食べましたが、
お世辞にもおいしいとは思いませんでした。
そこで、この記事では薬膳についてお伝えします。
薬膳ってなんですか?
薬膳は健康や美容によい、体の免疫力を
あげる食事です。
薬膳料理をつくるときに意識することは、
●旬の食べもの
●住んでいる場所の食べもの
●体調や肌にあう食べもの
です。
体が冷えたときや風邪をひいたとき、
体を温めたくて、料理にネギや生姜を入れたりしませんか?
「はい」と答えた人は、すでに薬膳をして
います。
つまり、ふだんの食事そのものが薬膳なんです。
薬膳では、すべての食べものには効能があるとされています。
だから、ときには料理のアクセントとして、バターやケチャップなんかも
使ったりするんですよ。
もちろん無添加がオススメですが。
たとえば、山いもは薬としても使われて
いますし、生姜やみかんの皮もそうです。
私は愛知に住んでいますが「愛知といえば味噌」と、住んでいる場所の旬の食べものや郷土料理も薬膳です。
薬膳のメリット
①ストレスなく一生続けられる
食事制限がないので空腹をがまんする心配も
なく、面倒なカロリー計算も必要ありません。
おいしい食事をお腹いっぱい食べていただけて、
多少の好き嫌いがあっても大丈夫です。
また種類を選べば、甘いものや辛いもの、お酒もいただけます。
②家族みんなが同じ食卓を囲める
ふだんと変わらない家庭料理なので、
ひとりだけ別メニューにする必要はありません。
ご家族や身近な人と同じメニューで食事を
楽しむことできます。
③経済的
メインはスーパーで手に入る旬のものです。
栄養価の高い時期と旬はかさなっていることが
多いし、たくさん収穫されるので、手に入れ
やすいうえに価格もお安めです。
④年齢・性別を問わない
ふだんと変わらない家庭料理なので、年齢や性別を
問わず、誰でも取り入れていただけます。
⑤身近な人に自然と食育ができる。
季節やその土地の食材で身近な人と一緒に料理を作ったり、
食事を楽しむことは、「食育」につながります。
基本は食事を楽しむこと
食事の基本は、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の
五感をはたらかせて味を楽しむことです。
かつての私も、栄養ばかりを気にして料理を楽しむことが二の次になったり、「なんだか味気ないなぁ」と感じたこともありました。
食事制限の場合は、必要な知識がなければ何を
食べていいかわからないし、
制約が多いからメニューも栄養もかたよりがちで、症状が悪くなることもありました。
無理な暴飲暴食をしなければ、
たまのぜいたくも決して悪くないはず。
食事が楽しめるようになって、おいしく食べる
ようになってからのほうが、体も肌も調子がよくなったと実感しています。